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ENTERTAINMENT BIGBAND LIVE / 三宅裕司 & Light Joke Jazz Orchestra with special guest 島津亜矢 "スキャットさわやかにSwingしよう!"

artist 三宅裕司 , 島津亜矢

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

思いっきりスウィングし、思いっきり笑うことのできる至高のひととき。三宅裕司&ライト・ジョーク・ジャズ・オーケストラ(LJJO)の公演が今年も超満員のオーディエンスを集めて開催されました。テーマは「スキャットさわやかにSwingしよう!」。昭和世代でしたら"ああ、あのコマーシャルのキャッチフレーズのもじりか"とニンマリすることでしょう。オープニングでは「コカ・コーラの唄」が軽やかに奏でられ、英語のMCに導かれて三宅裕司が登場します。

スキャットの説明などを含むトークで観客を引きつけた後、スウィンギーに始まったのは「帰ってこいよ」。1980年、松村和子が津軽三味線を弾きながら歌った演歌調の大ヒット曲ですが、これが実に小気味よいビッグ・バンド・ジャズになるのはまさにLJJOならでは。江澤茜(アルト・サックス)のアドリブを筆頭に、ひたすら爽快なプレイが続きます。次のナンバーでは、もうひとりのアルト奏者である辻野進輔がフィーチャーされました。彼が演奏する「Georgia on My Mind」と、ほかのメンバーが演奏する「SWEET MEMORIES」が同時に進行していくのです。ゆったりしたブルース調のアレンジに、音楽監督を務めるトランペッター、羽毛田耕士のセンスが光ります。演奏以外の時はステージの前面に出て軽妙なトークで観客を沸かせる三宅裕司も、ブラッシュとスティックを曲中で使い分けながら、キメ細かなドラム・プレイを届けてくれました。

LJJOには、ふたりの専属シンガーがいます。素敵なお姉さま、由紀さわり・つわりです。スキャットと縁が深いであろうことはその名前からも明らかですが、今回は「トルコ行進曲」でハモリを含むスキャットを聴かせるとともに、寺井雄一や吉本章紘のテナー・サックスによるアドリブと丁々発止を演じました。華やかなたたずまいに私は、フランスのミュージカル映画『ロシュフォールの恋人たち』に出てくる双子の姉妹を思い出しました。

場内の熱狂をいっそう盛り上げてくれたのがスペシャル・ゲスト、"歌怪獣"こと島津亜矢です。1986年にレコード・デビュー、押しも押されもせぬ演歌の第一人者です。私は以前ライヴに接して、会場をまるごと揺らすかのごとき豊かな歌声に大いに感銘を受けましたが、しなやかにして強靭な発声、リズムへの抜群の乗り、音感の良さはこの日も輝くばかりで、「演歌もジャズも音楽はみな兄弟」との気持ちをさらに強くさせてくれました。「All of Me」、「Lullaby of Birdland」(アルバム『SINGER 5』のテイクとは別アレンジ)、さらにアップテンポの「It Don't Mean a Thing」と快調にスキャットを交えながら歌う姿は実に鮮やか、「It Don't~」では三宅のドラム・ソロにもスポットライトが当たりました。歌姫がステージから離れた後も、拍手と声援は鳴りやみません。それに応えて演奏されたのは、中森明菜の不滅のヒット曲「飾りじゃないのよ涙は」。ゴージャスなビッグ・バンド・サウンドを轟かせて、LJJO公演2024年のブルーノート東京公演は大団円となりました。
(原田 2024 3.17)

Photo by Takuo Sato

SET LIST

2024 3.15 FRI.
1st
1. 帰ってこいよ
2. スウィート・メモリーズ
3. トルコ行進曲
4. ALL OF ME
5. LULLABY OF BIRDLAND
6. IT DON'T MEAN A THING (IF IT AIN'T GOT THAT SWING)
7. 飾りじゃないのよ涙は
EC. ひょっこりひょうたん島
 
2nd
1. 帰ってこいよ
2. スウィート・メモリーズ
3. トルコ行進曲
4. ALL OF ME
5. LULLABY OF BIRDLAND
6. IT DON'T MEAN A THING (IF IT AIN'T GOT THAT SWING)
7. 飾りじゃないのよ涙は
EC. サウスポー

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